「最強企業」の方程式

マンション1室で、若者が3人。どうやって戦う?

2006年2月、飯田橋にある7畳半のマンション1室でプレセナは誕生しました。CEOの高田は当時31歳、COOの鈴木は当時25歳。若者が3人集まって「さぁ何をする?」という状態からのスタートでした。当初は知り合いにもらったコンサルティング案件で食いつなぐ日々。半年ほど経って「これでは会社にならない、しっかりとプロダクトを作って事業を展開しよう」と一念発起し、著書の「ロジカル・プレゼンテーション」を研修に仕立て直して売り始めたのが研修事業参入へのきっかけでした。

しかし現実の壁が立ちはだかります。「うちはR社とずっと取引があるから」「うちはG社で研修をしています」等々、実績のある大手企業の前に為す術なく敗退。相手にもしてもらえない状況が続きます。立ち上がって半年程度のベンチャー企業ですから、実績で勝てる訳がない。自分を含めて社員は3人しかいないので講師の質でも量でも圧倒的に劣る。ひたすら営業をかけることも考えましたが、元々営業バックグラウンドではないのでそれも難しい。どうやって戦うべきか・・・悩みに悩みました。

前職マブチモーターにヒントを得た標準化戦略

そんな時に思い出したのが、前職マブチモーター時代に創業者の馬渕会長から聞いたこんな言葉でした。「素晴らしいモータを作れば営業が売りにいかなくても、お客様が並んで買いに来てくれる」。またマブチの標準化戦略では、モータの標準化ではなく「部品レベル」での標準化が行われていました。最終最後の製品は、お客様によって求める味付けが異なるのでカスタマイズが必要である。しかし性能の根本を支えるモータとしての本質的部分は自分たちが最も詳しく、自分たちが最高だと思うものをお客様に提供すべきだという考え方です。また馬渕会長はこんなことも話されていました。「標準化戦略というのは、色々と出来てしまったものを後で標準化したのではない。最初から、標準に逸脱しないように作っていっただけである」

典型的なプロダクトアウト思想ですが、「これだ!」と気が付きました。研修教材も、モータも、実は同じではないかと気が付いた瞬間です。自分の強みは営業ではないので営業力で勝負すべきではない。コンサルタントとして、またロングセラーになったロジカル・プレゼンテーションの著者としての「開発力」を活かしてよい教材を作ればお客様が並んで買いに来てくれるはず。ただゼロからスクラッチで作ったのでは工数がかかりすぎるのでペイしない。部品レベルで標準化をして、お客様のニーズにあわせたものを即座に組み上げて安くカスタマイズが出来る体制を取る。常に標準化を意識しながら、それに逸脱するような教材は作らない・・・。こうして今のプレセナのビジネスが組み上げられていくこととなります。これが私たちがメーカー思想・プロダクトアウト思想を持っている大きな理由なのです。

最強企業の方程式

その後色々と戦い方を考えてきた中で、私たちはある法則に気が付きました。この5つを完全に満たすことが出来れば、お客様からも社員からも見放されることなく、企業として永続的に安定するだろうという方程式です。私たちはこれを「最強企業の方程式」と名付けて入社時教育で必ず話していますので、そのサマリーをご紹介をしたいと思います。
最強企業の方程式

1.市場よりも良いものを提供する

ビジネスの基本ですが、ものが良くないとお客様は継続して取引してくれません。「良い」とは何かは解釈の分かれる所ですが、私たちの研修事業で言えば、お客様の業種業態にあった演習を、お客様の求める起承転結・ストーリーの中で教材として仕立て、お客様の求める時間内におさめる。そして当日講師が営業がヒアリングした問題意識なども踏まえながら、臨場感をもって受講者に必要性や具体的なやり方を伝えていくということを指しています。

2.市場価格よりも安く提供する

ものが良くても価格が高ければ買ってもらえないのもビジネスの基本です。ただここで大切なのは「市場価格よりも」という所で、粗悪品や下級品よりも安くする必要はないと考えています。性能品質が同等レベルのものと比較して、安く提供されていればお客様にとっても大きなメリットがあるでしょう。

3.社員の給料が高い

これまでの2つが実現されるとお客様に見放される可能性は低くなりますが、中の体制が崩れてサービスが安定提供出来なくなっては意味がありません。優秀な社員を招くためにも続けてもらうためにも、給料が高い必要があります。この「給料が高い」というのも、同等の業務を行っている他社と比べてという意味で、闇雲な高さを追求している訳ではありません。

4.社員は早く帰れる

いくら給料が高くても、死ぬほど残業したり土日も働いたりしていたのでは意味がありません。あくまでも時間あたりの給料、ワークライフバランスを取った上での給料ということが大切なポイントです。しかし残念ながら現在は成長の最中にある当社では、この点にはまだ改善の余地があると考えています。営業職・事務職の平均残業は1日1時間程度であり、プロフェッショナル職社員も大半は19時頃には退社していて休日勤務もないため「激務」ということでは全くありませんが、仕事が集中しがちな役員陣はここ1~2年は土日勤務も多いため、多くの優秀な仲間を迎え入れた上でまだまだ改善したいと考えています。

5.それでいて仕事が楽しい

最後のポイントも大切です。給料が高くて早く帰れても「この仕事は意味があるのだろうか」「楽しくない」と思うような仕事であれば長続きしません。社会的な意義が感じられる、自分の成長が感じられる、自分の貢献が感じられるなど「やっていて楽しい」と思えるような仕事をしてもらう。ライフワークとして長く働くためにはとても大切な視点です。

  • 社内風景1
  • 社内風景2
  • 社内風景3