キャセイパシフィック航空会社様

会社の現状について お聞かせください。

キャセイパシフィック航空は「2014年度エアライン・オブ・ザ・イヤー」を受賞しました。これは、英スカイトラックス社による総合的な顧客満足度調査に基づくもので、世界160ヵ国以上、1,800万人以上の乗客の声が反映されています。

当社は香港を拠点に誕生し、1946年の創立以来アジア、欧州、中東、北米とネットワークを拡大。それに伴い、お客様の幅も世界各国に渡っています。その点で、多様な価値観を持つ世界各国のお客様を対象としたサーベイで1位を獲得できたのは素直に喜ばしいことですし、通算4回という最多受賞を達成したことも誇りに思いますね。

けれども、こうした快挙を成し遂げても、日本においては、さすがはキャセイパシフィック航空だ」と思っていただけるほど、私たちの取り組みが認知されていないのではないかとも感じています。ひとつには、派手にブランドを打ち出す前に、地道に「Customer First」を徹底し、常にグローバルで同じレベルの品質、サービスを提供することを優先する、という会社の風土もあるでしょう。

ご利用いただいたお客様にはご理解いただいても、外資系も含めて航空会社が多く、競争の激しい日本市場で、私たちの取り組みをいかに打ち出していくかは、今後の課題かもしれません。

その中で、具体的に、どのような人材育成の取り組みをされていますか。

創業以来の当社のカルチャーが、グローバル1位を獲得したクオリティを支えていることは確かでしょう。変化を楽しんでチャレンジしながら、プロフェッショナルであり続けること。相手を尊重し、コミュニケーションを大切にしつつ、常にフレンドリーであること。ただ、実はそれを明確に形にしたものは長年なかったんですね。

メガキャリアに比べると、良くも悪くもファミリー的な雰囲気が残っていて、特に明文化しなくても「私たちのカルチャーだから」の一言で、お互いに通じ合える部分がありました。でも、時代が変われば社会の流れも変わります。会社の規模も大きくなり、グローバルの担当者も以前のように顔見知りばかりではなくなっています。

キャセイパシフィック航空は、ベストエアラインになる」ことを目標に掲げています。日本では55年の歴史がありますが、次の55年もさらなる前進を続けていくための礎として、5項目の価値観を明文化した「ピープルバリュー」構築を手がけたのが、2年ほど前のことです。この取り組みは現在も継続中で、さらに個人レベルのバリューにまで落とし込んでいます。

人材育成にあたって、 重視されているポイントは 何でしょうか?

2014年度に香港本社の担当ディレクターが変わり、人事部の名称も「Personnel Department」から「People Department」になりました。人事部の仕事は、労務ではなく、人を相手にしているのだというメッセージでもあります。

育成に関しては、一般的に人事部が担えるのは20%くらいで、残りの80%はラインマネジャーの力が重要だと言われます。その意味で大切なのは、人事部メンバーの育成とマネジャーの教育でしょう。私たち人事部が、現場のビジネスの実情と従業員の気持ちを深く理解すること。会社の方針を踏まえてメンバーを育てるのは、マネジャーの重要な責務の一環であるということ。これが全てのベースだと思っています。

管理職に対しては、マネジメントやテクニカルスキルに関するグローバル共通のトレーニングのほか、日本ローカルでも実施しています。香港本社で各国のメンバーとともに受けるトレーニングは、多様な価値観にもまれる中で新たな気付きや刺激を得られる。一方、日本語で受けるローカルの研修は、内容の落とし込みがより深くなることが期待できます。

マネジャー層も若手も同様ですが、今最も必要なスキルのひとつが、プレセナさんにお願いしている問題解決スキルです。考え方のプロセスについてはすでに学んでいるはずですが、ストンと腹に落ちる効果を期待して、ローカルでのトレーニングを開催しています。

パートナー企業に求めるもの、大切だと思うことを教えてください。

プレセナさんについては、ケミストリーが合うこと。本質的なニーズをうまく整理していただける点がありがたいですね。

また、研修では手取り足取り教えるよりも、一人ひとりの考える力を導き出すことを期待しています。必ずしも研修で100%理解する必要はなく、さらなる学習意欲を導き出すことが重要だ、と。今後も御社には、その路線を続けてほしいと期待しています。

人が育つには時間が必要です。人事部としては、即座に効果が表れなくても一喜一憂せず、必ず人は育つと信じ続けて、中長期な視点で継続的に取り組んでいくことが重要だと思っています。

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